環境重視の時代にあって電化は「必要な投資」
現在、イノベーション・センターとして研究活動を行っている施設が設立されたのは1971年のこと。開設当時には、ガス空調設備と電気空調設備の両方を導入していた。
「ガスと電気を併用することで、夏場にピークを迎える電力を抑えることが目的だったと聞いています」と語るのは、同センター サイトマネージメントマネージャーの中谷公二氏だ。
開設当初、同施設は住化バイエルウレタン株式会社の本社であったが、2008年、本社の大阪移転が決定。同時に、イノベーション・センターとして2社の3つの事業の技術部門をこの地に集約することになった。これに伴い、社屋の拡張リニューアル工事に取り組むことになり、老朽化したガス空調設備の一部を電気空調設備へ転換した。
「これにより約90%のエネルギーを電気でまかなうことになりました。とはいえ、電気への設備転換のイニシャルコストは決して安くはなかったです」と、センター長の桐原修氏は当時を振り返る。
同センターが、電化転換のイニシャルコストを「必要な投資」と考えた最も大きな理由は、CO2排出量の削減である。
「イノベーション・センターでは『CO2を出さない会社。CO2を出さない素材。CO2を出さない運送』という3つの目標を掲げて、環境問題に積極的に取り組んでいます。関西電力の金山さんから頂いた環境性に関するデータを見ると、多少のコストをかけても、『ガスより電気』という選択が弊社に相応しいことは一目瞭然でした。また、イニシャルコストの問題は、電気空調設備の高い経済性、省エネルギー性を踏まえて説明することで、本部の承認も得ることができました」と、中谷氏。
既存の冷媒配管を有効利用。廃棄物も最小限に
関西電力阪神営業所の金山誠は、電気空調設備へ転換することで、削減できる、ランニングコストとCO2排出量を提示。実際に導入後は、年間約100トンのCO2排出量の削減につながったという。
「電化転換に際して、気になっていたことがあります。それは、老朽化したガス空調設備の撤去です。かなりの量の廃棄物がでることは間違いないですから。ところが、既存の冷媒配管を流用できるとわかり、廃棄物も最小限で済みました」と、中谷氏は語る。
情報がすべてのエネルギー源。さまざまな提案に期待
電化後、エネルギーの約90%を電気でまかなうようになった同センターだが、電気使用量そのものが目に見えて下がったという。それには、電化をきっかけとしたセンター内での省エネの取り組みがあった。
以前から環境問題に強い関心を持っていた中谷氏に対し、関西電力の金山は、照明器具を水銀灯から「HID型高効率照明」に取り替える、蒸気配管に「断熱保温カバージャケット」を取り付けるなど、照明の高効率化や蒸気のエネルギーロス解消の追加提案を行った。
また、中谷氏は独自に、省エネルギーを徹底するために、廊下やトイレなどに人がいないときは自動で照明が切れる「人感センサー」を設置したり、各部屋に「温度・湿度計」を設置する等、さまざまな工夫を凝らしていた。
これらの工夫について中谷氏は、「各部屋に、大きな文字で表示されるデジタル式の温度・湿度計を設置して、冬や夏の室温設定を徹底しています。湿度は、10%高いと体感温度は2℃高くなります。植木を置いたり、空調の加湿機能を使ったりするだけで充分対応できるんです」という。
社員に、冬期と夏期に設定すべき室温を告げるだけではなく、温度・湿度計を設置することで「温度の見える化」を図ったことは大きな効果があったそうだ。さらに、「理想の室温よりオーバーしているときは、空調集中管理装置で室温をコントロールします。遠隔コントロールで集中管理ができるのも電気設備の魅力でした」とも。
「今回の電化転換をきっかけとして、環境保全への取り組みをさまざまな角度から強化することができました。弊社は、ドイツ、アメリカをはじめアジア各地に研究所があります。研究成果と共に、環境保全に関する取り組みNo.1の実績を出し、存在感を示していきたいですね」と桐原氏は語る。
「HID型高効率照明や断熱保温カバージャケットも金山さんの提案がきっかけです。
私達も、もともと設備に関する専門家というわけではなく、情報がなければ何もできません。今回の一連の取り組みも、関西電力さんからの情報がきっかけになっています。これからもさまざまな提案や情報提供をお願いしたいですね」と中谷氏は笑顔で締めくくった。
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| バイエル マテリアルサイエンス株式会社 〒100-8211 東京都千代田区丸の内1-6-5 TEL:03-6266-7260 住化バイエルウレタン株式会社 〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-9 TEL:06-6133-6100 ヘルスケア事業、農薬関連事業、先端素材科学事業に取り組む日本のバイエルグループの中で、素材科学事業を展開。ポリカーボネート、ポリウレタン、塗料、接着剤など、先端素材の開発、製造、販売を担う。イノベーション・センターでは、先端素材の用途開発や技術者の技術向上などに取り組む。バイエルグループは、水なしで育つ作物やゼロ・エミッションビルの開発などに取り組み、環境保全を積極的に推進している。 http://www.bayer.co.jp |
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