エネ蔵 勧電帳 ソリューションレポート 〜オール電化の導入による試算値と更新設備〜

今年1月、滋賀県にある新旭工場と、兵庫県にある豊岡工場の空調設備を改修されました。
そのきっかけを教えてください。

新生化学工業株式会社 代表取締役社長 宮田陽一氏(右)と新生化学工業株式会社 品質保証室 係長 小林宏生氏(左)

小林係長/もともと新旭工場と豊岡工場では、油吸収式冷温水機を導入しており、どちらも導入から約10年経過し、メンテナンスに費用が掛かる時期を迎えていました。以前から、関西電力の五井さんよりさまざまな提案を受けていたので、良いきっかけと考え、新旭工場は高効率ヒートポンプ空調機(240RT)を、豊岡工場は高効率ヒートポンプ空調機(120RT)で改修しました。
これまで燃料として使用していた重油や灯油は価格変動が激しく、一時は110円以上に高騰したこともありました。電化にするとエネルギー価格が安定するので、経営面から見ても見通しが立てやすいというメリットがあります。さらに、高効率な電気式ヒートポンプ空調機を導入すると、CO2削減にもつながります。実は、今回の改修については油吸収式冷温水機での更新も比較検討しましたが、時代背景を考えると電化の優位性が明らかだったということです。

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電気式の空調設備導入にあたって、懸念しておられたことはありますか?

関西電力 滋賀営業所 馬場清剛(右から2人目)と五井洋平(右端)

宮田社長/新旭工場、豊岡工場とも、熱源機のみを改修し、室内機や配管は従来のものを流用するなど、効率的な改修の提案をいただいていたのですが、新旧の機器を取り混ぜることによって、不具合が発生するのではないかと懸念していました。すると、関西電力の五井さんは、すぐに現地を調査してくださって、他社の事例データも照合して、「大丈夫」というお墨付きを出してくれました。唯一の懸念事項が解消され、安心して検討を進めることができました。
このたびの改修で、新旭工場はモジュールタイプの高効率ヒートポンプ空調機を8台、豊岡は4台、導入しました。弊社の工場は、年末年始以外は24時間フル稼働しています。万が一の時に、どれか1台が停止しても、モジュールタイプなので他の機器が稼働しているため、安心なんですね。エネルギーを電気でというだけでなく、弊社の事情を理解した上で、最適な機器を提案してくださったと感じています。

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このたびの改修は、国の補助金を利用されたそうですね。

小林係長/補助金にもさまざまな種類があります。1回目は国土交通省の補助金で、住宅や宿泊施設などを対象としたものがあり、2008年度に関西電力さんのサポートで申請しました。採択されたのですが、弊社のような工場が主な対象ではなかったため金額が少なく、2009年春、2回目の申請をしました。2回目は環境省の補助金で、そちらも見事採択され、1回目よりも金額が魅力のある内容ということもあり、採択された時点で改修に踏み切りました。
補助金申請にあたって国に提出する資料は膨大で、作成するのはとても大変なのですが、関西電力さんの豊富な経験とアドバイスのおかげでスムーズにできたと思います。
また、改修工事が1月に完了したばかりなので、まだ冷房を使うチャンスがないのですが、多くの機器を使用する工場内の室温は、年間を通じて高くなります。工場は1年のうち約10カ月間冷房を使用しますので、この夏の空調費などは非常に楽しみですね。

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ISO14001認証取得をされています。
環境保全について、御社独自で取り組んでおられることを教えてください。

宮田社長ISO14001認証取得をしたのは1999年でした。これをきっかけに、社内でできる環境保全活動を継続して行っています。具体的には、人のいない場所の消灯や、新旭工場の照明器具を高効率水銀灯に変えてワット数を抑え、工場の屋根の塗料を遮熱性のものに変えるなどしています。また、プラスチックの成型は、ヒーターで熱を加えて行うため、機器に断熱材を巻くといった工夫をして、工場内の室温の上昇を抑えるようにしています。2009年には、作業着を涼しいポロシャツにしたというのも新しい試みです。
プラスチック製品は、「公害の元」という風潮があります。社員のモチベーションを高めるために、「環境保全に努力している会社」ということを社員に伝えることも、私の大切な仕事だと思っています。また、日本のものづくりは、アジア各国を常に意識しなければならない状況です。人件費を下げずに勝つ要素を探したら、ものづくりのエネルギーコストを下げることが非常に重要です。高効率ヒートポンプ空調機を導入して、省エネ、省CO2な環境から、高品質な製品を生み出すものづくりの仕組みを、メーカーが率先して推進すべき時代が来たと実感しています。

ものづくりのエネルギーこそ電気で、ということですね。

国内シェア約65%を誇る
乾電池用ガスケット

宮田社長/ここ数年、特に化石燃料の価格の乱高下など、世界的なエネルギー問題が表面化しています。メーカーは、エネルギーを使ってものづくりをするのですから、エネルギーコストの問題や、商品が売れないことから起こる市場の停滞など、厳しいことばかりです。リーマンショックから2年が経ち、回復傾向にあるといわれますが、経営者として、今後大きく回復することを前提にはできないでしょう。今の時期に高効率ヒートポンプ空調機に改修したのは、とても良かったと思っています。なぜならこんな時代こそ、資金を使わないのではなく、先行投資で競争力をつけるべきだと思うからです。特に、世界を意識したものづくりにおいて力を発揮するのが、省エネ、省CO2に配慮したものづくりの仕組みなのだと思います。

from でんか担当
社員のみなさまが一丸となって環境保全に取り組んでおられる姿に感銘を受けました。どんなことでもご期待に応えることが私の使命と考えて、国の補助金申請や機器の調査など、技術部門や関係会社と連携して対応させていただきました。また、小さなことでもご相談を依頼していただけるように、『何かお困りのことはありませんか』というお声掛けを心がけました。この案件を経験させていただいたことで、私自身も大きな勉強になりました。
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新生化学工業株式会社さま
●滋賀県大津市蓮池町6-12  
TEL: 077-524-7101
http://www.shinsei-shiga.co.jp/
1963年創業。創業者の宮田庸生氏がエアゾールバルブの開発に成功し、エンジニアリングプラスチックの発展と共に成長を遂げた。自動車の各種センサー部品や携帯電話の精密部品、医療関連部品などを手がけており、中でも乾電池の中に使用する漏液や破裂防止のためのガスケットの国内シェア約65%を誇る。本社工場を含め、国内に4カ所、海外に2カ所の拠点を持つ。
新生化学工業株式会社さま
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